眼球ラジオ

目で読むラジオ。六畳一間から放送中

眼球ラジオ④~芥川賞「ニムロッド」「1R1分34秒」もう読んだ?~

 

 あ、あーマイクチェック1212、始まりました眼球ラジオ第四回、お相手は相も変わらず孤独にネットの片隅をジャックし続けるMC miyathemoney がお送りいたします。

 この前スキーに行ってきました。友達と一人一殺でゲレンデに寝転んでるスノーボーダーをひき殺してやりましたよ。スキーとスノーボーダーの共存?しゃばいこと言ってんじゃねえ。皆殺しだ。俺には「なんとなくリア充っぽくて腹立つ」という正当な理由があるんだからな。これを読んでるスキーヤーのみんな!白銀のゲレンデを奴らの血で真紅に染めよう!

 今週のニュースいってみよう。今週は..就活解禁でしたね。あと、桜田大臣が三分遅刻して怒られてました。言い訳は「次からは五分前や十分前行動を心がける」。俺が中学の時入ってたソフトテニス部よりゆるいわ。ゆるキャンだわ。遅れたらグラウンド10週プラスでボールの空気入れ全部でしたからね。おかげであのゴムボールの感触が手に染みついておっぱい触った時も同じ感想でたわ。「空気入れましょうか」って。いや、ほんとに空気入れてない軟式ソフトテニスのボールみたいだったんだよね。

 

 就活は私も絶賛開始していてですね、いろんな企業の説明会にセコセコと足を運んでおります。説明している人が全員金持ちに見えて悔しい。あと、「絶対内定」とか書いてある就活本。じゃあこの本だしてるお前の所に入れてくれと。そう思いません?ツェノンの背理とはまさにこのことだわ。あと説明会の時に「来春お会いするのを楽しみにしています」とかいう企業!こっちも会いてえ気持ちはやまやまなんだよ!じゃあ落とすなよ!お前次第だわ!会えるかどうかは!出会い系サイトの釣りかよ!

 

 ・・・・そんな感じで就活に対するする熱い思いを語ったところで、表題の件言ってみたいと思います。ズバリこの前芥川賞を受賞した上田岳弘『ニムロッド』町屋良平『1R1分34秒』。町屋さんのポスト椎名誠みたいな恰好はいいですね。大体文学者然としてるよりこういう格好の人のほうが面白いですよね。西村賢太しかり。

 

  

第160回芥川賞受賞 ニムロッド

第160回芥川賞受賞 ニムロッド

 
第160回芥川賞受賞 1R1分34秒

第160回芥川賞受賞 1R1分34秒

 

 『ニムロッド』ビットコインにまつわる話でかなり新鮮。何回聞いても分からない「ビットコイン」の仕組みの不思議さ、はそのまま「文学」の不可思議さ、つまり「人間」の不可思議さに置換可能。それに気づいた視点に脱帽です。 

作者はほんとにそうい言うIT会社の人らしいです。この時代のこの人にしか書けない作品で、書かれた価値、読まれる価値、双方に十分だと思います。

 「ビットコイン」の現実味のなさと、同じく現実味がない「ダメな飛行機」を結ぶセンスも見事。あと評論だと「ダメな飛行機」をNAVERまとめからそのまま持ってきたことに結構批判あったけど、検索すれば本当にそのままのサイトを見れるのはメディアミックス風で新鮮だったと思う。

 ただ、後半入ってくる「ニムロッド」の小説内小説はカッコつけているし、わかりにくさがある。あと、「桜花」をだすと、また少し別の・・・「戦争」というノイズが入る気がして、そこが残念。

 

 『1R1分34秒』は勝てないプロボクサー(四回戦ボーイ)の話。『明日のジョー』ファンとしてはウメキチ(途中出てくる主人公をコーチする人物)は「拳キチ」丹下段平のオマージュかなあと思ったり。筋だけで言ったら王道スポーツもので、これが芥川賞なのは面白いなあと。でも、やっぱり内容は最近の芥川賞らしく内省的です。

 主人公のキャラクターが魅力的だし、最後の方の文章の昂揚感は興奮します。これぞ文学を読む快楽、愉悦って感じ。

 

 お二人は79年、83年生まれと大体90年代後半~00年代初頭に青春を過ごされているそうで。あの時代の内省的な(たとえばエヴァやニルバーナに表されるような)雰囲気が作品にも影を落としているのか?と思ったり。まあ時代と何でも絡めて語るのは愚か者のすることかもね。

 

 ま、そんな感じで今更レビューしたけど、どっちも面白かった!ってことです。やっぱり、その人にしか書けないものを、その人のリズムで書いたとき必ず評価されるんだなあと思ったことでした。じゃ、今日はそんな感じで!俺も小説書くぞー!それまで芥川賞選考委員の椅子は開けておけよ、文藝春秋!

 それでは御社のの皆様、よろしくお願いいたします。何とか御社に受かりたいmiyathemoneyがお送りいたしました。あとこのアニメ作った奴、出てこい。心臓に悪いじゃねえか。


アニメーション「就活狂想曲」